· 

【緊急事態】電力小売市場が大暴騰しています

現在、日本で唯一の電力小売市場である日本卸電力取引所、通称JEPXで大変な暴騰が続いています。

本日発表、明日のシステムプライスにおける最高値は170.20円/kWhです。

通常この時期の平均値からすると十倍以上の異常事態です。

本稿では現在の状況、原因、影響、関係各所の動き、対策などについて記載します。

グラフから見る異常な状況

2020年12月1日から本日2021年1月11日最新分までのJEPXシステムプライス
2020年12月1日から本日2021年1月11日最新分までのJEPXシステムプライス

JEPXで公開しているシステムプライスから直近データをグラフにしてみました。

スポット市場は24時間が30分ごとに切り分けられているため、1日48のシステムプライスになっています。

 

グラフを見てわかるように、昨年12月中旬から動きが出始め、今年に入ってからは今現在に至るまで異常な上昇を続けていることがわかります。

昨年同時期はどうだったのか?

2019年12月1日から2020年1月11日最新分までのJEPXシステムプライス
2019年12月1日から2020年1月11日最新分までのJEPXシステムプライス

こちらは2019年12月〜2020年1月11日までの数値をグラフ化したものになります。

4〜15円/kWhあたりを行ったり来たりする程度で、ほとんど値動きがないことが見て取れます。

 

こうして比較すると、今年現在の状況がいかに異常事態なのかがよくわかります。

市場価格の高騰の原因は?

下記は新電力各社へのヒアリングや、ニュース、SNS等から収集した情報です。

*内容には不確実性が含まれますことをご了承ください。

  • 中国がLNG(液化天然ガス)を大量購入したことで、アジア圏内のLNGスポット価格が高騰
  • アジア向けLNGタンカーの入港に遅れ
  • 最強寒波による需要の増大
  • 年末年始の火力発電所の定期点検等による稼働停止や低稼働
  • 地域電力による市場への電力供給渋り

どの項目が、原因の割合をどれだけ占めているかなど不明点は多いですが、市場が暴騰していることは間違いありません。

各方面の対応状況

弊社確認の限りでは、国から小売電力会社や電気需要家に向けた発表等は今日現在まで確認できていません。

 

なお、電力広域的運営推進機関からは各発電事業者に向けて、所有発電所を最大出力で稼働するよう指示が初めて発出されています。フル稼働になる具体的な日数までは弊社も情報獲得に至れておらず、停止中の発電所が翌日からフル稼働できるかといえばそうもいかないことは確実なので、今しばらくはかかると思われます。

また、LNG発電においてはそもそも燃料不足という状況から、すべての発電所が100%稼働というわけにはいかないと思われます。

弊社では引き続き情報収集に努めますが、下記に関連サイトのリンクを掲載しますので皆さんも注視されることをおすすめします。

JEPXの高騰が需要家にどのような影響を与える?

現状、ご契約されている電力会社やプランによって大きく異なってくると思われます。

国から何かしらの対策や補償が打ち出されるかどうか、各電力会社がどういう対応をするかによってきます。

 

市場連動プランの場合、市場価格が当月の電気代に直結しますので国や電力会社が何も対策を打たない場合は次月支払額が例年の10倍以上になる恐れがあります。

固定単価プランの場合、現状は変わりないと思いますが3〜4月以降の燃料調整費増額や、各社固定単価の値上げが近い将来発表される可能性は十分に考えられます。

また、JEPXから電力を仕入れている小売電力会社は、現在進行形で高額な電力を仕入れ続けている状況にあります。

 

 

小売電力会社にしても需要家にしても、国からの早急な一手が取られないと大変なことになってしまいます。

いつまで続くのか?

電力各社や一部ニュースメディアによると「ピークは来週頃まででは」「1月いっぱいは暴騰続くのでは」「3月頃には落ち着くのでは」など意見は様々です。

発電所の出力最大化は対策が始まりましたが、LNG燃料の獲得時期やその価格変動による部分、今後の寒波予測など、まだまだ続く冬季期間の予想をするには不明瞭が多く、予測が困難なのだと思われます。

取り急ぎどうすれば?

市場連動プランを利用中の方は、契約先の対応の確認を!

まず市場連動型プランをご利用中の方は、契約先の対応を確認されることをおすすめします。

 

今日現在までに国からの対応が出ていないがために対応協議中の小売電力会社も相当数ありますが、一部の電力会社では対策を発表しているところもあります。情報は刻一刻と更新されている状況です。

市場連動および類するプランがある電力会社 WEBサイト
ハルエネ  https://haluene.co.jp
エフエネ https://www.fene.co.jp
ダイレクトパワー https://direct-power.jp/low-v
みんな電力 https://minden.co.jp
エルピオ https://lpio.jp
ジニーエナジー https://genie-energy.co.jp
ハチドリ電力 https://hachidori-denryoku.jp
テラエナジーでんき https://tera-energy.com/home
自然電力 https://shizendenryoku.jp
日本テクノ https://www.n-techno.co.jp
F-Power http://f-power.co.jp
ファミリーエナジー https://familyenergy.co.jp

*上記各社でも市場連動でないプランも存在する場合があります。

*上記以外にも市場連動プランの小売電力会社およびプライベートブランドを使用する代理店等が存在します。

*いずれもご自身の契約プランを確認の上、問い合わせることをおすすめします。

こまめな消灯、電気以外の暖房利用など、できる範囲での節電を

電力会社の切り替えを選択するにしても、今日の明日で切り替えることはできません。

通常切り替えには低圧契約で翌検針日や翌月1日、高圧契約では2〜3ヶ月でのスイッチングとなり各社でも異なります。

また、現契約に途中解約違約金や縛り期間が定められている場合もあります。

もし電力会社の切替をご検討の際は、是非弊社の【ご相談者様ごとにベストな電力会社を無償でご紹介するサービス】をご利用いただければ幸いですが、現在進行形で起こっている市場価格の暴騰に「今」、「この瞬間の対処」をするには節電以外にありません。

 

しかし冬本番どころか、コロナ対策で室温維持&加湿が重要とされている状況、節電対策はできることが本当に少ないかと思います。

それでもできる限りの対策を講ずるとすれば、

  • 温める部屋を決めて他はなるべく電気OFF
  • 電気に代わる暖房機器の使用
  • こまめな消灯
  • 加湿は洗濯物や濡れタオルの室内干しで

というあたりでしょうか。

現状を知り、まずは冷静に情報収集を

歴史に残るほどの非常事態であり、何より1日も早い国の対策が望まれますが、まずはご自身のご契約プランを見直すことが最優先と言えます。

法人ともなると工場を止めるわけにもいきませんし、ご契約されているプランや会社の対応によっては由々しき事態です。

本件の情報を知らない、対策を打たない、そのままでは大損をする可能性もあります。

弊社では引き続き本件について情報収集・情報発信に努めて参ります。

電力会社の見直し・検討をご希望の際は無償でのご相談を承っておりますので、その際はぜひお問い合わせください。