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白熱電球、蛍光灯、水銀灯時代の終焉

これまで長いこと私たちの照明を支えてきた白熱灯や蛍光灯、水銀灯の生産が続々と終了していることをご存知でしょうか。

本稿ではこれら照明の生産終了について、メーカー各種の状況をまとめてご紹介したいと思います。

まずはそれぞれの照明について、写真付きで簡単におさらいです。

 

白熱球、白熱電球、白熱灯、白熱ランプ、電球
白熱球、白熱電球、白熱灯、白熱ランプ、電球

【白熱球】

白熱電球、白熱灯、白熱ランプ、またはそのまま電球とも呼ばれるお馴染みの照明ですね。玄関やトイレ、リビングなどご家庭はもちろん、店舗など様々なところに使われています。

実は国内主要メーカーでの生産は2012年迄に終了。代替として登場したLED電球はあの当時とても高価で普及は難しいと感じていましたが、今となっては随分リーズナブルになりました。

【蛍光灯】

ご家庭のメイン照明として丸型の蛍光灯を愛用されている方は多いのではないでしょうか。

また直管型は会社のオフィスや店舗、工場の必需品。

ちなみに「蛍光灯器具」はランプ以外の部分を言い、ランプ部分だけ分けて言うときは「蛍光菅」や「菅」と呼ばれます。

器具も菅も国内主要メーカーのほとんどが既に製造終了となっています。


水銀灯、高圧水銀灯、水銀ランプ、HID
水銀灯、高圧水銀灯、水銀ランプ、HID

【水銀灯】

高圧水銀灯とも呼ばれる水銀灯はスタジアム、大型看板、工場等でよく見られる非常に明るい照明です。

学生時代に体育館でスイッチを入れると、じわ〜っと徐々に明るくなるのを皆さん見たことがあるのではないでしょうか。

所有者にとってはめちゃめちゃ電気代を食う照明としてもお馴染み。

こちらは国際条約である「水俣条約」により、2021年1月1日以降は製造も輸入も輸出も全面禁止となります。

 

ちなみに同用途向けランプにメタルハライドランプや高圧ナトリウムランプがあり、これらを高輝度放電灯を総称してHIDランプ(High Intensity Discharge Lamp)と呼ばれています。

*水俣条約の対象は水銀灯のみとなっています。

これら、親しみ慣れたあの暖かくてアナログな雰囲気は名残惜しいところですが、環境問題対策や省エネ化の必要性は待ったなしであり、技術もどんどん進歩しています。

この風潮を受けて世界規模での条約や日本政府の政策により、日本メーカー各社は次々に生産終了、そして販売終了を発表しているのです。

イイワットではメーカー各社のウェブサイト等で現在の状況について調査してみました。

メーカー各社の製品別生産状況

製品 メーカー 状況
 白熱球 パナソニック 2012年10月 生産終了
東芝 2010年3月 生産終了(一部除く)
三菱電機

2011年3月 生産終了

蛍光灯器具 パナソニック 2019年3月 生産終了

東芝

2017年3月 生産終了

日立

2018年3月 生産終了

三菱電機

2019年3月 生産終了
蛍光灯(蛍光ランプ)

パナソニック

生産中

東芝

2020年1月 生産終了(一部除く)

日立

2019年12月 生産終了

三菱電機

2019年12月 生産終了
水銀灯

東芝

2020年3月 生産終了
パナソニック 2020年6月 生産終了
岩崎電気 2020年 生産終了
三菱電機 2019年以前 生産終了
メタルハライドランプ 東芝

2020年3月 生産終了

パナソニック

生産中

高圧ナトリウムランプ 東芝

2020年3月 生産終了

パナソニック

生産中

大まかには2012年頃までに白熱電球の生産が終了し、2019年頃までに蛍光灯の器具部分が終了、続いて蛍光管自体も終了、2020年いっぱいで水銀ランプの生産も終了という流れが見て取れます。

*代替の効かない特殊な白熱球などは生産継続されていたり、国内小規模メーカーや海外メーカーでは引き続き生産しているものもある点は注意が必要です。

もう同じランプは買えないかも

皆さんが使われている照明はいかがでしょうか。

球や菅だけの交換においてはまだまだ従来品を選択されている方が少なくありません。

しかし国産メーカーが既に製造していないことから、今後も同様の照明を使用し続ける場合は、現在流通している在庫を探すか、海外製品を採用するしか選択肢がないことがお分かりいただけるかと思います。

ただ家電量販店やホームセンターに行っても、その販売スペースも在庫も縮小を続けているのが現状です。

 

 

その照明機器は何年もの?

LEDを代表とする次世代照明への交換について、そろそろ検討しなければならないもう1つの理由として器具の耐用年数が挙げられます。

照明機器の耐用年数にはいくつかの指針があります。

例えば国税庁の定めでは法定耐用年数15年、電気用品安全法では寿命40,000時間とされています。

40,000時間についてメーカーが寿命計算に使う一般的な数値を引用して1日10時間、1年300日点灯したとすると、13年少々といったところです。

他に日本の国家標準の一つであるJIS規格では、適正交換の目安を通常使用で10年、

一般社団法人 日本照明工業会では適正交換時期を8〜10年、耐用の限度を15年としています。

また、メーカー保証は1〜5年程度が主流となっています。

あまり長いこと使用を続けると消費電力の増加や思わぬ故障の原因、最悪は火災の可能性もあり得ます。

見た目ではわからない部分で劣化が進んでいることもあるため、適正交換時期内の交換が無難であると言えます。

なお交換時期の前であっても、異音や臭い、見た目の変化など異常が確認された場合は早急な対応が必要なことは言うまでもありません。

 

実際のところは多くの企業、ご家庭でLEDへの交換を検討する必要が差し迫っているのではないでしょうか。

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